公務員だけど副業したいな!
でも公務員は副業禁止って聞くけど…ほんと?
公務員がやってもいい副業ってないのかな。
もし隠れてやってバレたらどうなるんだろう…
こんなお悩みはないでしょうか。
企業では副業の解禁が進んでおり、また以前と比べると公務員の平均給与も減少。
そのような中、「公務員でも副業をしたい」と考えている方は多いと思います。
実は公務員でも認めらている副業は存在するのはご存知でしょうか。
今回は、公務員でもできる副業5選や法律、認められていない副業をした場合の罰則をまとめたので、興味がある方は最後までご覧ください。
公務員は副業禁止?公務員でもできる副業5選
結論からいえば、公務員の副業(兼業)は、規制がありますが一部認められています。
具体的には下記です。
- 投資
- 講演・執筆活動
- 小規模農業
- 家業の手伝い
- フリマアプリなどの処分売却
公務員でもできる副業①:投資
株式・FX・仮想通貨などの投資は、自己資産形成の手段として行うものであり、副業にはならないとされています。
また許可をとる必要もありません。
ただし、公務員に限らずですが利益が出た場合は、確定申告が必要です。
不動産投資については、家賃収入を得る目的の不動産賃貸業であれば公務員でも可能ですが売却で利益を生む不動産投資は原則禁止となっています。
また不動産賃貸業を営む場合でも、年収500万円以下という条件があります。
公務員でもできる副業②:講演・執筆活動
許可を得れば講演や執筆活動もできます。
もちろん、謝礼金を受け取っても問題ありません。
ただし、職務に影響を与えない・守秘義務を守るということが前提です。
講師や講演活動は営利目的にはあたらないため、公務員でもおこなうことができます。
営利目的ではないので、謝礼金を受け取っても問題ありません。
公務員でもできる副業③:小規模農業
自給目的の販売農家基準を超えない小規模農業であれば認められます。
しかしながら、規模が大きくなれば許可が必要です。
許可が必要となる明確な基準はありませんが、「耕地面積30a以上、農産物販売金額が年間50万円以上」の場合は、許可が必要となるでしょう。
詳細な基準は、務めている自治体にご確認ください。
公務員でもできる副業④:家業の手伝い
屋台や農業などの家業がある場合、その手伝いとして報酬が得る(副業)ことは認められています。
家業を手伝う場合にも事前に許可が必要ですが、比較的おりやすいとされています。
ただし、職務に影響をきたさないようにすることが大前提です。
公務員でもできる副業⑤:フリマアプリなどの処分売却
不用品を「メルカリ」などで販売することも、許可を取らずに行うことができます。
ただし転売は認められませんので、ご注意ください。あくまで不要となったものを売る行為のみです。
転売を目的に商品を仕入れ、販売した場合それは事業所得もしくは雑所得であり営利目的の活動となります。
公務員の副業に関する法律
なぜ「公務員は副業禁止」といわれているのでしょうか。
それでは公務員の副業に関する法律を解説します。
公務員の副業規制に関する法律
まず「公務員の副業が禁止」といわれる要因である公務員法です。
大前提、公務員は国家・国民・市民のために働く「奉仕者」としての使命を担い、その職務に対する責任があります。
具体的な法律の一部を下記抜粋しています。確認しましょう。
国家公務員法 第百三条(私企業からの隔離)
引用元:e-Gov法令検索
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
国家公務員法 第百四条(他の事業又は事務の関与制限)
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
地方公務員法 第三十八条(営利企業への従事等の制限)
職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。
簡単にいうと「公務員は私企業に務めて報酬を得る、もしくは自分で営利企業を営んではいけない。そのため副業も必然的に禁止」ということです。
また、上記とは別に「副業禁止を裏付ける3原則」が国家公務員法(第99~101条)・地方公務員法(第33~35条)に存在します。
- 信用失墜行為の禁止
公務員全体のイメージを悪くする、信用をなくすような行為をしてはならない - 守秘義務
職務上知りえた秘密を他にあかしてはならない - 職務専念の義務
職務に専念しなければならず、本職に支障がでる行為も控えなければならない
この内容自体は、一般企業と同じですね。
公務員の副業が認められるケース
ここまで公務員の副業を規制する法律をご紹介しました。
「え?それなら副業できないじゃん」と思った方も多いと思います。
ではなぜ公務員でも副業ができるのか。
それは、人事院が発行する「義務違反防止ハンドブック」で、一定規模の不動産賃貸や農業など所轄庁の長などの承認を得て許されるとしているからです。
もしろん承認の基準があり、それは下記3点です。
- 公務員の信頼やイメージを傷つけないこと
- 職務に関連して利害関係が生じないこと
- 本職に影響が出ないこと
つまり上記を守り、許可が出れば公務員も副業ができるというわけです。
公務員の禁止されている副業がバレたらどうなる?罰則まとめ
もしかすると「許可とか面倒だし、自分のやりたい副業は許可が出ないと思うから隠れてやろう」と思う方もいるかもしれません。
もし公務員が禁止されている副業をし、バレたらどうなるのでしょうか。
罰則(懲戒処分)としては、下記が考えられ罪の重さにより下される処分が変わります。
- 免職:自主解雇、もしくは強制的にクビになります
- 停職:自宅待機などが明示られ、またその期間の給与は支払われません
- 減給:給料が減らされます
- 戒告:口頭などでの厳重注意がされます
バレるリスクを考え、認められていない副業は行わない方がよいですね。
公務員の副業は今度どうなる?
現状では「副業が自由にできる」とはいいがたい公務員。
会社員の副業は解禁の動きが進んでいますが、公務員はどうなのでしょうか。
実は、2018年に閣議決定された「未来投資戦略2018」の中で国家公務員について「公益的活動等を行うための兼業に関して環境整備を進める」という方針が発表されました。
また地方公務員についても、2019年に「地方公務員の社会貢献活動に関する兼業について」という資料が発表され、「今後公務員の副業がよりしやすくなるのでは」と予想されます。
実際に副業解禁した自治体もあります。
事例①:兵庫県神戸市
公務員の副業推進の「先駆け」とも言える自治体で、2017年4月に「地域貢献応援制度」を作り、公務員の副業を一部認めました。
地域貢献応援制度
引用元:神戸市職員採用 働き方改革
市の職員が、職員として培った知識・経験等を活かして、市民の立場で地域における課題解決に積極的に取り組めるよう、営利企業への従事等のうち社会性・公益性の高い継続的な地域貢献活動に、報酬を得て従事する場合の取扱いを定めたものです。
地域貢献応援という名前の通り「地域における課題解決で社会性・公益性の高い活動で公務員が報酬を得て手伝いをすることができる」としています。
事例②:奈良県生駒市
奈良県生駒市も、2017年10月「地域貢献活動を行う職員の営利企業等の従事(副業)の促進について」という方針を発表し、職員が地域貢献活動に対する参加を促すための基準を発表しました。
1 目的
より一層厳しい自治体経営が予測される少子高齢化時代にあって、持続可能なまちづくりを進めていくためには、市民と行政が互いの立場を認識し、自覚と責任を持ってそれぞれが役割を担い、協働しながら地域課題を解決していくことが必要である。職員が、職務外に積極的に地域貢献活動に参加すれば、市民参画は進み、市民との協働によるまちづくりがより一層活発になることが期待できる。
職員が報酬を得て事業若しくは事務に従事する場合には、地方公務員法第38条第1項の規定により、任命権者の許可が必要とされている。
職員の職務外における地域貢献活動等を促進するため、特に報酬を得て地域貢献活動等に従事する場合の許可基準と運用について、職員の営利企業等の従事制限に関する規則(昭和35年2月生駒市規則第1号。以下「規則」という。)の規定に基づき、次のとおり定める。
2 対象となる活動
次の要件をすべて満たす活動であること。
(1) 公益性が高く、継続的に行う地域貢献活動であって、報酬を伴うもの。
(2) 市内外の地域の発展、活性化に寄与する活動であること。
引用元:地域貢献活動を行う職員の営利企業等の従事制限の運用について
こちらも地域貢献活動であれば可能となっています。
事例③:宮崎県新富町
宮崎県新富町は、2018年11月に職員の副業承認を発表し、宮崎日日新聞が以下のように報じています。
新富町は、町職員が勤務時間外に地域貢献などの活動へ参加することを後押ししようと、職員の副業許可基準を明確化した内規の運用を始めている。県内初の取り組みで、スポーツ少年団やNPO法人などでの報酬が発生する活動を想定。人口減少が進む中で地域活動の人材を確保し、官民協働のまちづくりにもつなげたい考え。
引用元:宮崎日日新聞
まとめ
今回は、公務員でもできる副業5選や法律、認められていない副業をした場合の罰則をまとめました。
公務員は、国家・国民・市民のために働く「奉仕者」としての使命を担いその職務に対する責任があるため、規制が存在しますが一部認められています。
また副業を解禁する自治体もあり、今後さらにその波は広がるのではないでしょうか。
まずはできる範囲でチャレンジしてみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。