「二重否定を使わないで」っていわれたんだけど、
二重否定って何?
何で使っちゃダメなんだろう・・・
このようなお悩みはありませんか。
二重否定は、1つの文章で2回否定することにより肯定する表現のこと。
分かりにくくなったり、文字数が増えるためWebライティングでは好まれない表現です。
本記事では、二重否定とは何か、効果や使ってはダメな理由を解説します。
是非最後までご覧ください。
二重否定とは
二重否定は、1つの文章で2回否定することにより肯定する表現のことです。
修辞技法(レトリック)の中で「緩叙法(かんじょほう)」にあたります。
イメージとしては「マイナス×マイナス=プラス」になるように「否定×否定=肯定」になります。
とくに、人と会話しているときに使うケースが多いでしょう。
二重否定の例文
二重否定の例文として、下記があげられます。
- 今日、飲みに行けないわけではない。
- 体調が悪いわけではない。
- あなたの成功を願わずにはいられない。
1行目であれば「飲みに行けない」という否定を「わけではない」で再度否定し、肯定しています。
このように、二重に否定をして肯定するのが、二重否定です。
二重否定 一覧
二重否定の例として、下記があげられます。
- 高い → 安くはない
- 安い → 高くはない
- 危ない → 安全ではない
- 安全 → 危険ではない
- 好き → 嫌いではない
- 嫌い → 好きではない
- 暖かい → 寒くない
- 寒い → 暖かくない
- 頭がいい → バカではない
- 頭が悪い → 頭がよくない
- 大きい → 小さくない
- 小さい → 大きくない
- 強い → 弱くない
- 弱い → 強くない
- 可愛い → ブスではない
- 甘い → 苦くない
- 苦い → 甘くない
二重否定の効果
二重否定には、2つの効果があります。
詳しく解説します。
強い肯定を表す
1つ目は、強い肯定です。
例えば下記をご覧ください。
例
今日は朝から大事な会議があるため、遅刻するわけにはいかない。
「遅刻してはいけない」とするよりも「遅刻するわけにはいかない」とした方が「絶対に遅刻できない」というニュアンスが伝わるでしょう。
このように、二重否定を使うことで強い肯定を表すことができます。
曖昧な肯定を表す
2つ目は、曖昧な肯定です。
例えば下記をご覧ください。
例
この文章が悪いとは言えない。
「よい」とするのではなく「悪いとは言えない」とすることにより、全面的に肯定するのではなく「よいとも言えない」というニュアンスが伝わるのではないでしょうか。
このように、二重否定を使うことで曖昧な肯定を表すことができます。
二重否定はなぜ使ってはダメなのか
Webライティングをしていると、レギュレーション(マニュアル)に「二重否定を使わないでください」と書かれているのを目にしたり、クライアントから指摘されたことがある人もいると思います。
強い肯定、曖昧な肯定を表す効果があるのにもかかわらず、なぜWebライティングで二重否定が好まれないのでしょうか。
2つの理由を解説します。
分かりにくい
まず、分かりにくいことです。
二重否定は、ストレートな表現ではないため回りくどく、分かりにくい表現になるでしょう。
二重否定を使ったときのニュアンスの受け取り方も、読者によって異なります。
Webコンテンツの特徴ですが、本などと違い順番通りにしっかりと読む人は多くありません。
どちらかというと、自分が欲しい情報のみを読んだり、流し読みする人が多いでしょう。
そのため、よけいに分かりにくい表現になってしまいます。
またWebには同じような情報が多くあるので「分かりにくい」と感じると離脱(見るのを辞めてしまうこと)につながります。
文字数が増える
次に、文字数が増えることです。
例えば「好き」であれば2文字ですが「嫌いとは言えない」であれば8文字。
このように、二重否定を使うと文字数が増えます。
「文字数が多い方がSEO順位が上がる」と考えている人もいますが、これは間違いです。
正確には「必要な情報を適切に書いた結果、文字数が多いとSEO順位が上がる」です。
不要に文字数を稼いでいると、SEO順位が低くなる場合もあります。
またWebライティングであれば、報酬は「文字数×文字単価」で決まるでしょう。
そのため「報酬を上げるために、不要に文字数を増やしている」と捉えられてしまう場合もあります。
二重否定は言い換えよう
分かりにくくなる、文字数が増えるという理由で、二重否定はWebライティングで好まれません。
もちろん「必ず使ってはいけない」というわけではありませんが、あまり使わない方がよいでしょう。
自分で「二重否定を使っている」と分かった場合は、ストレートな言い回しに変換するようにしてください。
二重否定が多い人は、クセになっています。
まずは、意識して自分が二重否定を使っているか、使っていないか確認するようにしてください。
まとめ
本記事では、二重否定とは何か、効果や使ってはダメな理由を解説しました。
二重否定は、1つの文章で2回否定することにより肯定する表現のこと。
強い肯定、曖昧な肯定を表す効果がある一方、分かりにくくなる、文字数が増えるためWebライティングでは避けた方がよい表現です。
ライティングをするときには、意識してください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。